2025年10月19日(日) 06:37 JST
建築技術 2023 12月号

特集は
空間と構造デザイン
【特集】空間と構造デザイン
監修:腰原幹雄(東京大学生産技術研究所教授)
構造設計者は建築家から提案された空間イメージ、構造形式、種別をもとにインプットした情報を自身の中で整理をして、アウトプットとして構造案を提案する。
情報の中にはその時々で流動性がある建物概要などの外的要因と固定度の高い自身の趣味嗜好などの内的要因の二つがあると思うが、思考の過程が紹介されることは少ない。
本特集では、空間と構造デザインに焦点を当て、建築家と摺合せをする中で構造設計者の拘りが事例としてできあがった最終案にどのようにして影響を与えているのか本特集で紹介する。
また、構造デザインの可能性を拡げ、構造設計者を手助けするツールもあわせて紹介する。
*目次
Ⅰ. 空間と構造デザインの関係│腰原幹雄 ……61
Ⅱ. 空間から考える 構造デザインの実践
構造デザインのこだわりと醍醐味│金箱温春……66
カタチ・性能・内部空間の関係性│萩生田秀之 ……70
「どん帳」のような極薄梁│佐藤 淳 ……73
イチョウ材を並べたコノイドシェル構造│山田憲明……76
小規模プロジェクトの構造デザインプロセス│大野博史……78
光環境のデザインが導く架構のかたち│田尾玄秀……82
有機的に感じられる幾何学│坪井宏嗣……86
志向と嗜好と試行の構造デザインの射程範囲│安藤耕作……89
谷側に開けた空間をつくるための諸架構形式│福島佳浩……92
設計・サブコン協働提案型への転換点│黒岩裕樹……94
スラブのつくりに挑む│円酒 昂……98
豊かなラーメン構造│平岩良之……102
円形開口を有するRC造ダブルスキンと斜め格子架構による アリーナ空間の構造│黒川 巧……105
意匠と構造を同時に進めるデザインプロセス
施工性に配慮したジオメトリエンジニアリングの適用│後藤一真……108
建築主や地域の想い×スタジアム空間の構造デザイン
構造設計者に問われる思考力│田垣欣也+村上友規+渋谷朋典+中曽根義之……112
超高層建物・複合用途・振動対策│中島隆裕……116
広島サッカースタジアムの構造デザイン│島村高平+安藤広隆+永久美優+鈴木直人……121
引張力と圧縮力の釣合による美しいシェル構造│三木優彰……124
Ⅲ.デザインの可能性を拡げるツール活用
ツールを上手く活かす設計│田村尚土……126
Autodesk Revitで構造解析ソフトとデータ連携╱ Autodesk Docsで業務データ管理│林 弘倫……130
Rhino・Grasshopperによる設計・施工要素を考慮した コンピュテーショナルデザイン│中島淳雄……131
設計者の可能性を拓くVectorworksコンピュテーショナルデザイン│佐藤和孝……132
GLOOBE Architectにおける意匠設計と構造設計の連携│谷原康介……133
Super Build®╱SS7の活用│藤本貴之……134
従来の枠を超えたソフトウエアの活用方法│井上紀幸+多田 聡……135
Ⅳ. インターオペラビリティとワークフロー│三木優彰……136
【architectural design】
バイオフィリアプレイス南青山│㈱新居千秋都市建築設計……12
入居者のターゲットイメージづくり│木村成克……20
これからのオフィスのあり方となるバイオフィリアプレイス│新居千秋……20
コンセプトに連動したデザイン│清野貴夫……22
壁と同厚の柱梁+ボイドスラブ│下久保 亘……28
都心部の狭隘な現場の施工│中原佑一郎……30
HUPNI Rusutsu│㈱腰越耕太建築設計事務所……32
北海道産トドマツCLTを用いたホテルの設計│腰越耕太+Seow Koji Takehira……40
HUPNI Rusutsu新築工事の構造計画│アラン・バーデン+船山龍之介+山口慎介+橋本 碧……43
HUPNI Rusutsu新築工事の施工計画│綿谷政弘……46
【連載】
第8回◆高強度・太径鉄筋関連のSABTEC技術評価工法(2)│益尾 潔……48
新時代を拓く最新施工技術
第168回◆大型物流施設建設工事における安全性・生産性の向上│工藤祐介+橋本和宏+下嶋信吾……138
建築関連最新判例の解説
第120回◆予算超過設計と商法512条に基づく報酬請求の関連性│秋野卓生……148
建築 千思万考 第5回◆私が建築に目覚めたとき│河谷史郎……152
施工者に幸あれ
第144回◆構造家・円酒 昂 リダンダンシーの培われた土壌│朝倉幸子……158
自走する構想 第33回◆大阪中之島美術館の「目地」│遠藤克彦……159
一言居士◆鉄骨の精度管理について│鈴木史朗……147
ザ・ブックス◆メトロポリス興亡史│ベン・ウィルソン 著 土居義岳 評……150
【TECHNICAL View】
長周期地震動に有効なブレース型FMS合金制振ダンパーの適用範囲拡大……54
コンクリート締固め管理システム……55
コンクリート加振圧送工法……57
Fc300の超高強度グラウト材……58
「地中に森をつくる」軟弱地盤対策工法……59
【MACRO & MICRO】
トピックス+セミナー+コンペ・コンテスト+企業情報+イベント・ギャラリー+ブックス……155
【BRI news & topics】
国土技術政策総合BRI news & topics……160
【BUIL TECH】
もりだくさんのホットな製品情報……164
【表紙】
バイオフィリアプレイス南青山
設計:新居千秋都市建築設計
撮影:大野 繁
デザイン:箕浦 卓(M's SPACE)
通巻 887号
発売日 2023年11月17日
判型・頁 B5判・174頁
雑誌コード 03325-12
【次号予告】 建築技術2024年1月号(12月15日発売)
特集:住まい手が選ぶ,おもしろい温熱環境
監修::南 雄 三 ( 住 宅 技 術 評 論 家 ))
省エネ基準が 2025 年に義務化,30 年に ZEH 基準が義務づけられようとしている。
断熱レベルの目安はG2 で落ち着いて,性能表示は 7 等級まで一気に段数が増えた。
さらに,地方自治体は自主基準をつくって地域内の断熱レベルを高めたり,太陽光発電を義務づけるなど自治体間の意欲合戦が始まっている。
こうして断熱・省エネレベルは高みに誘導されながら,温熱は全館空調の均質空間を小さな燃費で実現することが高断熱・高気密の勝利宣言となっている。
一方で,均質より不均質をよしとする温熱論が聞かれるようになり,超高断熱派の間でも炬燵が人気になるなど,新たな展開がはじまっている。
朝 15℃で起きることを「生殺し温度」と呼んできた筆者だが,これまでは「低断熱レベルの言動」といわれてきたが,少し寒いをやり過ごすのも面白い快適という評価に逆転している。
とはいえすべては「ある程度断熱レベルが上がって,15℃以下にならない家の中」での話で,その先は均質だけでなく不均質も含めた施主の選択の時代になる…ということ。
本特集はそんな曖昧な温熱を大いに遊んでしまおうと,いつもとは違った意気込みで編集するものである。。
【architectural design】
天神町 place
建 築 伊藤博之建築設計事務所
山脇邸・新アトリエ・東邸
建 築山脇邸・新アトリエ・東邸山脇克彦建築構造設計+アーカイブ+神成建築計画事務所+Atelier O2
※建築技術特集「特集:拡がる木造建築の今」は,公益社団法人日本建築士会連合会および一般社団法人建設業振興基金の継続職能開発(CPD)の自習型研修プログラムです。単位の取得を希望される方は,CPD情報システムにアクセスして本誌の設問に解答してください。
だいおー/大内
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