2025年10月18日(土) 22:56 JST
ツーバイフォー
ツーバイフォー
床・壁・天井の「面」で家を支える箱形工法 ツーバイフォー工法(以下2×4工法)は北米から 来た工法で、日本の正式名称を「枠組壁工法」と呼ぶ。 同じ木造だが、柱や筋交いによる軸で重さを支える木 造軸組に対して、2×4工 法は「面」で支える。 この「面」とは床、壁天井のこと。2×4インチ の角材と合板で、ゆがみにくい構造の「面」をつくり、 、がっちり組み合わせた六面体の箱形を一単位として空 間を構成する。 このとき使う合板は縦横両方の力に耐えられるよう に板の木目の向きを変えて重ね合わせてつくられる。 呼び名は角材の断面寸法か ら来ている。そのほか2×6、2×10インチの角材が 用いられる場合もある。 2×6インチ材を主流とした住宅はツーパイシックス と呼ばれている。 加工が容易なので人件劃費や工期も短縮可能 2×4工法は使う材料も建てる方法もマニュアル化 され、加工も容易なため、人件費や工期を短縮できる のが特徴。部材も比較的小 さくすることができ、作業 スペースや搬入路が狭い変 形、狭小敷地でも柔軟に対 応できる。木造軸組工法よ り熟練した経験を、必要とし ないので、施工会社によっ て品質が左右されることも あまりない。最近は床、壁、 天井などの「面」をあらか じめ工場で生産、パネル化 して現場で取り付けるメー カーも増えている。
大空聞ができ、台風や地震の外力も分散 柱の出ないすっきりした 大空聞が容易にできるのが 大きな特徴。また、台風や 地震など外部から強い圧力 がかかっても、六面体の各 パネルに力が分散されて1 カ所に負担が集中しない。 万が一の火災の場合も2 ×4工法は、1階と2階や 各居室聞の火の通り道をフ ァイアーストップ材により シャットアウト。空気の流 れを遮断して火が燃え広が るのをくい止める。さらに、 壁・天井内に一定間隔で組 まれた構造材も火の進行を 止める「防火シャッター」 のような働きをしている。
設計には構造特性を 損なわないよう規定も
2×4工法は設計の自由 度が高い工法だが、同時に 守らなければならないルールもある。 たとえば、建物の重さを支える耐力壁は1 階と2階でできる限り重なるようにする、窓などの開 口部は一定のルールに基づいて設定するなど。 その多くは耐力壁に関するもので、構造特性を損なわないよう 規定されている。