自分用にメモしていた わかりにくーいDXF関連AutoCAD用語がまとまったので無謀にも公開(後悔?)します
参考文献、「新・DXFリファレンスガイド」(落合重紀著;日経BP社他 多数)
用語 | 説明 |
%%文字 | 寸法用の記号「°」「±」「φ」を「 d」「p」「c」 で表わすDXFが定めた書き方。 他に、上線を表す%%O、下線を表す%%Uなど、多数の文字がある。 CADの中には、%%文字をDXF読めないものもあります。 |
$DWGCODEPAGE | R12JのDXFから、HEADERセクションに $DWGCODEPAGE というユニコードの言語種類が書かれている。 AutoCADのR13JへシフトJISを渡すためにはDOS932やDOS850。 AutoCADのR14へシフトJISを渡すためには ANSI_932と書いてあることが必要。 DConvertで文字化けするのは、この変数が書かれていないことが原因。 |
$LTSCALE | 「線種尺度」と同じ |
1バイト文字 | ASCII文字やJISの半角カタカナ(JIS X0201片仮名)などが、DXFの1バイト文字。 一般的には、「半角文字」をさすことが多い。 |
2バイト文字 | シフトJISやEUCの日本語文字などが、DXFの2バイト文字。 一般的には、「全角文字」 をさすことが多い。 |
3次元面 | 「3DFACE」というDXF要素で書かれた面。 |
ASCII | 英数字や記号用として、世界共通で使える文字コード(American Standard Code for Information Interchange;アスキー)で、米国標準文字コード。 |
BIGFONT | 2バイト文字を表示するためにAutoCADが用意しているフォントファイル。 BIGFONT.shx。ただし、漢字はJIS第1水準までしか表示できない。 |
BLOCK | 「複合図形」 と同じ。 |
BYBLOCK色 | 図形の表示色が、「ブロック図形を配置するINSERT図形が持つ色番号」で決まることを表す、特殊な色番号(色番号 0)。本来ブロック内の図形が持つべき色番号。 DXFでは正式に定められていないですがAutoCADは色番号7と同じ色で表示します。 |
BYBLOCK線種 | 図形の線種が、「ブロック図形を配置するINSERT図形が持つ線種名」で決まることを表す、特殊な線種名(線種名 BYBLOCK)。本来ブロック内図形が持つべき線種名。 DXFでは正式に定められていないですが AutoCADは実線で表示します。 |
BYLAYER線種 | 図形の線種が、「図形が書かれているレイヤが持つ線種名」で決まることを表す、特殊な線種名(線種名 BYLAYER)。DXF標準では、BYLAYERの線種名は省略することになっている。 |
DXF寸法 | DIMENSIONというDXF要素に呼び出され配置する特殊な複合図形で表された寸法線。 寸法線の形状(寸法値、補助線、寸法線、端末記号、など)は複合図形に書かれる。 DIMENSION要素には、複合図形名や寸法計測情報(寸法種類、寸法計測に必要な座標、計測方向の角度、など)が書かれる。 |
DXF標準線種 | DXFでは、標準的に25種類(GX3までは9種類)の線種名がある。 DXF線種名:DXFでの表現:JIS 実線:CONTINUOUS:実線 点線:DOT:破線 隠れ線:HIDDEN:破線 破線:DASHED:破線 一点鎖線:DASHDOT:一点鎖線 中心線(長一点鎖線):CENTER:一点鎖線 二点鎖線:DIVIDE:二点鎖線 想像線(長二点鎖線):PHANTOM:二点鎖線 ボーダー:BORDER:JISに無し GX5以降で追加 DXF線種名:DXFでの表現:JIS 点線:DOT2,DOTX2:破線 隠れ線:HIDDEN2,HIDDENX2:破線 破線:DASHED2,DASHEDX2:破線 一点鎖線:DASHDOT2,DASHDOTX2:一点鎖線 中心線(長一点鎖線):CENTER2,CENTERX2:一点鎖線 二点鎖線:DIVIDE2,DIVIDEX2:二点鎖線 想像線(長二点鎖線):PHANTOM2,PHANTOMS: 二点鎖線 ボーダー:BORDER2,BORDERX2:JISに無し 最後に X2 が付く線種名は大ピッチ、 2 だけが付く線種名は小ピッチ、 どちらも付かない線種名は中ピッチ。 これら以外の独自な線種名もあるようですが受け取れないCADもあるので 使わないのが無難。 (全バージョンで読み込める9種類であればほとんどのCADで読める) |
EUC | ASCII文字と他のどれか1つの言語の文字とを混在させるために規格された文字コード体系(Extended Unix Code)。主にUNIXで使われている。 日本語EUCは、ASCII文字と漢字他を混在させるための文字コード。 普通、日本国内で EUCと言えば、日本語EUCをさす。 |
EXTFONT | 2バイト文字を表示するために、AutoCADがGX5から用意しているフォントファイル名。 EXTFONT.shx。漢字はJIS第1水準だけでなく、JIS第2水準も表示できる。 |
FIT文字列 | 配置基準位置として左下隅と右下隅の2点を持ち、文字列長さがその2点間に丁度収まるという性質を持つ文字列。「フィット文字列」と同じ意味 |
INSERT | 複合図形を図面へ配置するための呼び出しを行うDXF要素。 複合図形名や配置情報(配置座標、X方向尺度、Y方向尺度、傾き角度 など)が 書かれる。 |
MONOTXT | 1バイト文字を表示するために、AutoCADが用意する英数フォントファイルの中の1つ。 ファイル名は MONOTXT.shx。他の英数フォントと違って、このフォントは等幅フォント。 |
SOLID | 「塗り潰し図形」 と同じ。 |
TEXT | 「文字列要素」 と同じ。 |
TXT | 1バイト文字を表示するために、AutoCADが用意している英数フォントファイルの中の1つ。ファイル名はTXT.shx。このフォントは、プロポーショナルフォント。 |
Unicode | 「ユニコード」 と同じ。 |
異尺度 | 複合図形を図面へ配置するINSERT要素は、X方向とY方向の尺度を指定できますが、 XとYの尺度の大きさが異なる配置のこと。異尺度配置された複合図形内の円は楕円になるはずですが、そのようなDXFをうまく読めないCADが多い。 |
入れ子 | 複合図形の中にINSERT要素があり、それによって別の複合図形が呼ばれていること。「ネスト」 と同じ。 |
英数フォント | 1バイト文字を表示するために、AutoCADが用意しているフォントファイル。 |
改行コード | DXFファイルの行はどれが使われるかはコンピュータによって異なるが、どの場合でも「改行コード」と呼ばれる。 改行コードの違い Windows(DOS):CR+LF Mac:CR Linux :LF |
外部参照アタッチ | 他のファイルを別のファイル(外部参照図形)としたまま、CAD機能で画面上に重ねて表示すること。 DXF要素は、外部参照図形のファイル名と場所だけが書かれた、特殊な複合図形。 外部参照アタッチのDXF要素があっても、画面上で重ねる機能を持っていないため表示されないCADが多い。 |
外部参照バインド | 外部参照図形を自分の図面内に図形データとして組み入れること。 DXF要素上は、外部参照図形のファイル内容を含んだ、通常の複合図形。。 |
画層 | 「レイヤ」 と同じ意味 |
グループ | 「グループコード」参照。 R13Jからは、「複数個の単独図形をまとめて扱うための集合」という、全く異なる意味のGROUP も追加された。複合図形とにていますが異なるデータ構造・性質を持つ。 |
グループコード | DXFファイルは必ず2行1組で書かれ、2行まとめてグループと呼びます。 ファイルの先頭を1行目と数えると、 奇数行目には必ず整数が書かれておりグループコードと呼ばれています。 偶数行目には整数・実数・文字列のどれかが書かれ、グループ値と呼ばれています。 グループ値にどれを書けるかは、グループコードで決まります。 例えば、グループコードが0ならばグループ値は文字列、 グループコードが10ならばグループ値は実数。 |
グループ値 | 「グループコード」参照。 |
コメント | グループコードが999のグループ。グループ値には、任意の文字列を書けます。 DXFファイルをエディタで見た時のための説明文や、特定CAD同志がDXF規則に 無い情報をデータ交換するために使用する。 |
シェイプ | 外部ファイルに定義されている図形。 データ構造は文字とほとんど同じですが、表す形状は文字でなく部品や記号。 ES.shp: 電子回路用記号、 PC.shp: 実装基板用記号、 ST.shp: 製図用記号 |
シフトJIS | JIS規格を基に、ASCIIと漢字を混在させるために民間会社によって規格された文字コード体系。主にDOSやWindows で使われている。1997年からJIS規格に採用された。 |
シンボル名 | DXFのレイヤ、線種、ブロックなどの名前の総称。 |
字体 | DXF文字列には、ASCII文字と日本語文字が混在して書かれるので、2種類のフォント(英数フォントと全角フォント)が表示で使われている。 DXFファイル上では、この2種のフォントの組み合わせや、文字の縦:横の比率などを「字体テーブル」としてLTYPEテーブルに定義されています。 各文字列は、フォント名は持たずに字体名だけを持つ。字体名を持たない文字列は、DXF規則上、字体名は STANDARDと見なします。 CADの中には、字体名を持たない文字列をうまく扱えないものものもあります。 |
スプライン曲線 | 任意に指定した複数の点を滑らかに結ぶ曲線。 R12Jまでは、スプラインの近似図形をポリラインで描いていました。 R13J からは、数学的にスプライン曲線を表せるSPLINE要素が、追加されました。 |
図形挿入 | 複合図形を図面に配置するときに使用するAutoCADコマンド。 DXF上にはINSERT要素が書かれるので、INSERT 要素の日本語名としても使われます。 |
図面コードページ | 「$DWGCODEPAGE」 と同じ。 |
寸法 | 「DXF寸法」 と同じ。 |
寸法ブロック | DXF寸法要素が呼び出し配置する、特殊な複合図形。寸法線の形状(寸法値、補助線、寸法線、端末記号、など)が書かれています。 |
セクション | DXFファイル内の区画。 R12Jまでは次の4区画;HEADER,TABLES,BLOCKS,ENTITIES。 R13Jからは次の6区画;HEADER,CLASSES,TABLES,BLOCKS,ENTITIES,OBJECTS。 |
線種尺度 | 線種ピッチが用紙上の大きさで定義されている場合は、建物や機械など、設計対象モデルを表す図形に比べて小さすぎ、そのまま重ねて両者を表示すると、ピッチがつぶれて実線に見えてしまうので AutoCADは、画面表示時に線種ピッチに線種尺度を与えて拡大表示する方式をとっています。 線種尺度はDXFの HEADERセクションへ $LTSCALE という変数名で書かれています。 |
線種パターン | 線種ピッチが描く、線種の一点鎖線や二点鎖線などの模様。 |
線種ピッチ | 線種の一点鎖線や二点鎖線などを構成する、線部分(ダッシュ)や間隔部分の長さ。 DXFファイル内のLTYPE テーブルへ線種名ごとに線種ピッチ値が書かれています。 |
全角フォント | 2バイト文字を表示するために、AutoCADが用意しているフォントファイル。 BIGFONT.shx、EXTFONT.shxなど。 |
全角文字 | DXF上では、「2バイト文字」の意味で使われることが多い。 |
属性 | 複合図形を呼び出し配置したINSERT図形が持つ、複合図形が表す対象物に関する情報 一般には色・線種・レイヤなどの図形表示特性も属性と呼ぶことが多い |
属性定義 | 呼び出し配置される前の複合図形が持つ、属性を作るための情報 |
楕円 | R12Jまでは、楕円の近似図形をポリラインで描いていましたがR13Jからは、数学的に楕円を表せるELLIPSE要素が、追加されました。 |
テーブル | TABLESセクション内の区画。 GX3までの主なテーブル;LTYPE,LAYER,STYLE。 GX5からはDIMSTYLEテーブル、 R13JからはBLOCK_RECORDテーブルが追加された。 |
等幅フォント | 文字幅が、どの文字も同じフォント(fixed-width font)。 |
ドーナツ | ポリラインは円弧や幅を表現できる図形ですが幅付きの半円を2個向かい合わせることによってドーナツ形状を表せます。 穴径をゼロにしたドーナツは、黒丸になります。 |
塗り潰し図形 | 線分に囲まれたベタ塗りの図形。 DXF上の要素はSOLID。 |
ネスト | 「入れ子」 と同じ。 |
ハッチング | 指定された領域内を、線分によるパターンで埋めた図形。 R13Jまでは、特殊な複合図形の中にハッチングパターンを描いていましたがR14からは単独図形でハッチングを表せるHATCH要素が新しく追加され、さらに塗り潰しもハッチングで表せるようにりました。 |
幅尺度 | 「文字幅比」 と同じ。 |
半角文字 | DXFでは、「1バイト文字」の意味で使われることが多い。 |
ビューポート要素 | ペーパー空間からモデル空間を見るための情報を持った矩形枠のDXF要素。 |
フィットカーブ | 指定した接線方向を使用して、ポリラインの頂点すべてを滑らかに結ぶ曲線。CAD上では連続した円弧で作られている。 |
フィット文字列 | 「FIT文字列」 と同じ。 |
フォント | 書体。 |
複合図形 | いくつかの単独図形を集め名前をつけて部品のように扱えるようにした図形。 BLOCKSセクションに、複合図形の名前と図形が書かれます。 「ブロック」 も同じ。 |
ふくらみ | ポリラインは、直線だけでなく円弧形状も表現できます。 それを表すためのデータが「ふくらみ」です。 CADによっては、ふくらみを無視するものもあります。 |
部品属性 | 「属性」と同じ。 |
ブロック | 「複合図形」と同じ。 |
プロポーショナルフォント | 文字幅が、文字ごとに異なるフォント(proportional font)。 Windowsのフォントでいえば MS-P明朝 MS-Pゴシックのようなフォント |
ペーパー空間 | 図面枠や注釈記入などを用紙上の図形にあわせた大きさで書いたデータ。 |
ポリメッシュ | ポリラインという直線や円弧の連続形状を表すDXF要素で書かれた面。 DXF要素内は、通常のポリラインとは違う、特殊な書かれ方をします。 |
ポリライン | 複数の直線や円弧が連続した図形。 幅を持つこともできます。 DXF上では、POLYLINE、 VERTEX、SEQEND、の3種類の要素で書かれます。 |
マルチテキスト | R13Jで新しく定義された、複数行の文字列を一度に書ける要素。 DXF上はMTEXT要素。 R12Jまでの文字列に比べて、色々な指定ができる 例えば ・指定領域から文字がはみ出さないようにするため、自動改行する ・文字列途中で、文字特性(高さ、色、フォント、など)を切り替えできる など |
マルチライン | R13Jで新しく定義された、複数の線分が平行した形状を一度に書ける要素。 DXF上はMLINE要素。 |
ミラー配置 | 複合図形を図面上へ配置するINSERT要素はX方向とY方向の尺度を指定できますが XとYの大きさは同じで一方が負の倍率を持った配置のこと。 図形は鏡に映るように反転しますが、そのようなDXFをうまく読めないCAD があります |
文字幅比 | DXF文字列要素は文字の大きさを、「文字高さ」と「高さに対する幅比率(文字幅比)」の、2つの値で持ちます。 例えば、高さが6で幅が3の文字要素は、「文字高さ=3、文字幅比=0.5」となります。 |
文字要素 | 「文字列要素」と同じ。 |
文字列要素 | DXFでは、文字が複数集まって書かれた1行の語句や文を「文字列要素」と呼びます その中の1文字ずつは「文字」と呼び。文字列要素は、文字データ、文字サイズ、配置基準点座標、の他に、文字列の傾き角度、基準点、字体名、などの各種情報を含みます。 |
モデル空間 | 設計対象モデルを表す図形を実際の大きさで書いたデータ。 |
ユニコード | 世界共通の文字コードとして規格された、文字コード体系。 |
ライトウェイトポリライン | R14から新らしく定義された、複数の直線や円弧が連続した図形。 DXF上には、LWPOLYLINE要素で書かれ、それが頂点座標を持つ。 ポリラインよりも、少ないデータ量で同じ形状を表せる。 |
レイヤ | 図面を幾つかの階層に分けて書くための機能。 「画層」 と同じ。 |